Banjo改造顛末記 その1


2001年の暮れにサムシングの忘年会で酔った勢いと気まぐれから、 BanjoのToneRingをアメリカへ発注してしまったのが事の起こりです。 前々より水戸のSさんよりToneRingを交換すればもっと良い音になるとは 聞き及んでおりましたが、金の無いのもあって今一つ購入にまで至りませんでした。 以前より交換するならばと候補は2つ、ヒューバーかテネシー20か迷っていて、 そこに注文の話でそれではとGibsonにはいずれヒューバーを入る事にし、 まずは2ndのTokai T-1200Fにテネシー20を入れる事にし発注する事にしました。 でも実際来るまでどっちに入れるかほんと迷って(楽しんで)ましたけどね。
ここで、私のTokai T-1200Fについて少し紹介をしましょう。 購入したのは昨年の3月頃で物は20年以上前の代物です。以前より水戸のSさんに 2nd用としてTokai T-1200の出物があったらと話をしてた所、ほとんど未使用の 物でもう弾かないから売却したい人がいるとの事からSさん仲介により一般の 相場より格安で購入したものです。引取りに行ったら確かにほとんど未使用で フレットも全然減っていないしremoのHeadも真っ白でした。しかし、ずっと 押し入れにでも入っていたのか錆だらけ!でも弾いてみると意外にしっかりした 張りのある音で錆以外は大丈夫でした。
持ち帰ってからはすぐに分解し錆落しです。再び組立てて弾くとGibsonには 劣るもののGibonには無い良さもあり、その時はすごく満足していました。 なにせこのBanjoが発売された時からカタログ見たり、楽器屋に見に行っては、 ほしくてほしくてたまらなかった想い出があったからです。再びBanjoを弾き 始めようとした時にはすでに売っていなくて 中古を探しても巡り合わず結局、Gibsonを買った経緯が有りました。 (でも、先にTokai買っていても結局、Gibsonは買ったとは思いますが) でもBandの中で弾いていると一番大きな音のはずのBanjoが聞こえないと言われた 時はショックでした。それから色々調整をしては見たもののやはり限界があるようで、 パンチがきいて張りのあるクリアな音は好きなのですが、伸びないハイポジションの 音や低音の豊かさの無さは如何ともし難い。それで、まこんな物かなと最近まで ケースに入ってました。後はToneRingを交換するしか手は無いのかなと思いつつ・・
一日千秋の思いで正月を過ごし、手塚氏より「ToneRing届いたよ」の電話を もらったのが洋輔君の成人式前日で「今から寿司屋に行くんだけど寿司屋に持って 行くから」とその電話が切れたらもう車に乗ってました。寿司屋に着いたのは 手塚家の皆様より早かったですね。そんなことで手に入れたテネシー20ですが、 交換する前に実はすごく不安でした。
何故かと言うと私め一度もBanjoを本格的にばらした事が無かったからです。 Head交換ぐらいは有っても、ネックとウッドリムを離したり、ましてやToneRingを 外すなど、そんな大それた所業は復元する苦労(機械的ではなく元の音へという 意味)を思うと「触らぬ神に祟り無し」ですよね。ToneRingもほんとにぴったり 合うのかなとか。でも手に入れちゃったんだからと家に着いたとたんに Tokai T-1200Fはすぐにばらばらに分解されました。かなりきつかった ToneRingもなんとか外したら又、錆です。
外して分かった事ですがTokaiのToneRingって裏側はメッキされていないんですね。 テネシー20と比較してみると内側の作りというか旋盤の削り方も全然違う 事がわかります。表見はほとんど同じなのにTokai のToneRingは肉圧で20穴の所に 内側からドリルで20個所削り重量合わせしている感じがしましたし、そこも 削りっぱなしでメッキは有りません。(手抜き工事だ!)重量も持った感じ、 わずかにTokaiの方が重いです。
指で弾いた音はテネシー20が"A"ぐらいでTokaiは"D"ぐらいだったと思います。 サンドペーパーできれいにウッドリムの緑青を落とした後、何とかテネシー20を はめ込みました。ある人(R吉さんだったと思います)がウッドリムとToneRingの 理想的な関係は茶筒のようにぴったりと言っていたのを思い出し、少し 窮屈だったけどぴったり入ったので安心したのと同時に、当時のTokaiという 会社はやはりすごかったんだとあらためて感心した次第です。(さっきから 上げたり下げたり、勝手ですよね)
乾燥している冬の時期をねらって交換したのが良かったのかもしれません。 全てを元の状態に復元し、新しい弦をはっていよいよ試奏です。 (参考までにブリッジはワズワース11/16を少し加工したものを使用し弦高は 最終フレットあたりで2.5mmぐらいになってます。弦は一弦から0.105 0.115 0.14 0.22 0.105でRemo HeadのテンションはBぐらいになっています) 感想はバランスが良く明るい音でローポジションからハイポジションまで良く鳴ります。 低音も豊かでしっかり出るし高音の伸びも充分です。ToneRingで変わるんですね。 Gibson RB-3と比較すると一皮むけた感じです。音質はNew Gibsonに似ていますが明るくクリアです。Gibson RB-3のように暖かく全体で鳴るような感じではありませんが、 でもNew Gibsonは越えたかな?後は腕を上げるのみ!(これが一番たいへんです) Gibson RB-3にNew ToneRingを入れたら又、寄稿しますので気長に待ってて下さい。
追伸、ちなみに私、家族が寝る夜11時頃から弾き始める事が多いのですが、Gibson RB-3の時はあまり家族から苦情が出る事が無かったのですが、このBanjoにしてから五月蝿いと息子に注意されました。ごめん!この場を借りて家族の皆に感謝の意を表します。
2002.Mar. T.okuzono

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